2012年8月28日火曜日

キレンゲショウマ

このところの暑さで体調がすぐれず、外出を控えていたらすっかり時期を逸してしまった。
花は殆ど終っていた。

宮尾登美子著 天涯の花 から

<ほなけど、どんなに欲しい、手折りたいと思うても、お山の花は一本も折ってはあかんよ。根ごと採って来て植えても、山の花は床の変わるのを嫌うけん、むざむざ枯らす羽目になる。こんなことは良く覚えときや>・・・・・・・・


吉野川沿いの養護施設に育った「珠子」は15歳で霊峰剣山のある神社の神官の養女となる。
あたりを払って誇り高く咲く「キレンゲショウマ」の花。
「私はこの花に会うためにお山さんに来たのではないか」と、「珠子」は心を打たれる。

東京から「キレンゲショウマ」を撮りに来ていたカメラマンとの出会い、別れそして再会。
清澄な自然を背景に無垢な魂を持ち続ける「珠子」の成長と恋を描いた感動的な作品である。

ぜひお読みください。
貴方の忘れられない一冊となるでしょう。